The Golden Rule
子育てエンジニアの情報収集・学習のアイデア
はじめに
この記事は、子育てエンジニア Advent Calendar 2016 の23日目の記事です。
5歳と3歳の娘がいます。共働きで、双方とも正社員級の仕事をしており、普段の生活でどちらかの親に子育てを頼ることができない状況で暮らしています。
この状況になってみて分かったことは、家庭によって、親の就労状況、受けられる支援、夫婦の価値観などが多種多様ということでした。
子育てに関する考え方や姿勢も、そうした家庭ごとの違いを背景として、全く価値観が異なると考えています。そのため、話をする相手が同様に共働き、子育て世帯であったとしても、同じ価値観を前提として話はできないと強く感じます。
そうは言っても、ごく狭い範囲であれば、情報提供をして他の方のお役に立つことがあるのではないかと思い、ありきたりな内容ですが、このAdvent Calendarに参加しました。
Photo credit: PublicDomainPictures / Visualhunt.com / CC BY
前提とする状況
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仕事と家事・子育てのバランスに日々苦慮していて、平日朝は朝食、出発の支度、保育園への送迎、洗い物、掃除、 帰宅してからは子供達のお風呂、寝かしつけ、洗い物、洗濯物、明日の子供達の準備や部屋の片づけがあり、それらが終わると日付が変わって深夜になっているような状況
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土曜日は子供達の習い事の付き添い、日曜日は買い物と子供達のストレス発散ための公園での遊び時間などがあり、自分の時間がほぼなく、本を読む時間の確保がままならない。
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しかし、エンジニアとしてのさらなる情報収集やスキルアップのため、日々何か学習したいと思っている。
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お小遣い制のため費用は極力抑えたい。
情報収集のアイデア
月並みですが、情報収集に充てることができるのは家事の時間や移動時間になり、書籍を読めない状況が多いため耳からの情報収集にシフトしてみました。
ベンダからの公式情報や質の高い情報はYouTubeに多くあるようでしたので、Googleアカウントにたくさんのチャンネルを登録しています。
情報収集が必要なジャンルというのは個人によって大きく異なると思いますが、私が登録して有意義と感じているチャンネルの一覧です。
AWS
- Amazon Web Services
- AWS re:Inventのセッションやユーザー事例、Knowledge Centerなどがあります。
- Amazon Web Services - Webinar Channel
- 過去の40分〜1時間程度のWebinarを観ることができます。
- AWS Tutorial Series
- 各サービスの基本的な利用方法が10分以内で解説されています。
Microsoftの製品、サービス、Microsoft Azure
- Microsoft Mechanics
- 以前は"Garage Series"という名前でした。Azure、Office、Windowsなどの新機能について解説されます。
- Microsoft Azure
- Microsoft Azureの各種番組、How to、チュートリアル、Webinar、導入事例、イベント動画などがあります。
- Microsoft Cloud Platform
- オンプレミス環境やハイブリッドクラウドも含めた全体の動画があります。
- Windows
- Windows 10などOSの新機能紹介、Surfaceなどのデバイスの紹介、How toなどがあります。
- DotNet World
- .NETでの開発に関するチュートリアル、イベント動画などがあります。
- Microsoft Visual Studio
- Virtual Studioに関連する動画があります。
- Microsoft Ignite
- イベントのKeynoteやセッションが集められています。
- Microsoft Build
- イベントのKeynoteやセッションが集められています。イベント以外でも、チュートリアルなどが随時追加されています。
GoogleのサービスとAndroid
- Google Developers
- イベント動画、"The Developer Show"、How toなどがあります。
- Android Developers
- OSの新機能の解説、Android開発に関するイベント動画、"Android Development Pattern"や"Android Performance Patterns"などの解説があります。
- Google Design
- Material Designなど、デザインに関する解説やイベントのセッションなどがあります。
Red Hatの製品
- Red Hat Videos
- チュートリアルやデモ、ユーザー事例があります。
- Red Hat Enterprise Linux
- 各種製品の使い方や解説の動画があります。
その他の製品とサービス
- JetBrainsTV
- JetBrains社の各種製品の使い方の動画があります
- IntelliJ IDEA
- IntelliJ IDEAの使い方や新しいバージョンの解説があります。
- DigitalOcean
- コミュニティなどで解説された使い方の動画あります。
- GitHub Training & Guides
- githubの様々な製品や他のサービスとの連携方法などの解説があります。
- Docker
- 各地のmeetupのセミナー動画があります。
- Udacity
- Udacityのいくつかのコース動画があります。
情報収集を支えるハードウェア、ソフトウェア、サービス
基本的にはストリーミングでビデオを見まくるので、スマートフォンがあれば充分なのですが、お小遣いからの少ない投資でより快適になったハードウェア、ソフトウェアやサービスがありました。
ハードウェア
タブレット端末
以前はNexus7を利用していましたが、OSのアップデートに伴って動作が重くなったため、ASUS ZenPad 8 (Z380KNL)を使っています。
SIMフリーであるところが重要なポイントでした。モバイルルーターを別注購入するより、短い時間で通信を開始できること、初期費用がトータルで安いことが決め手でした。後述のSIMカードと併用しています。
Bluetoothヘッドホン
洗い物をしているとき、部屋を片付けたり掃除しているとき、デバイスの場所などにとらわれず自由に動き回れるのは快適です。
いろいろと検討した結果、TaotronicsのTT-BH07を愛用しています。Amazonで3000円弱で購入できる点も魅力です。
サービスとソフトウェア
MVNOサービス
基本的に、移動中はずっとストリーミングを流すことになりますので、大手キャリアではパケット通信量の上限に達することが多くありました。
現在は、SIMフリー版iPhone SEとDMM mobileで、前記ZenPadと両方のパケット通信を賄っています。
BGMサービス
何かの拍子に自分の時間ができて作業することがあります。お出かけから帰ると、家族が疲れて寝てしまった場合など。
そのような場合は、疲労や寝不足、深夜など過酷な状況であることがよくあります。そのような状況でも、短い時間で質の高い作業を行う必要があります。
focus@willは、心理学的な裏付けと大規模な調査に基づいて、集中して作業できるBGMを流し続けるサービスです。
作業用BGMというと、好きなアーチストの曲やラジオを流している例が多いと思われますが、ヴォーカルや DJなど人の声が入ると集中できないことが知られているそうです。そういった背景については、TEDxBrusselsでのWill Henshall CEOの講演で解説されています。
こうしたサービスを利用することで、不利な状況をある程度カバーすることができます。
ソースコード構成管理
今回のブログ記事のように、長い期間少しずつ書き足すような執筆の場合は、Bitbucketで無料で利用できるプライベート・リポジトリと、iOSのgitクライアントであるGit2Go、Android用gitクライアントPocket Gitをそれぞれ利用しています。これで買い物待ちや移動中もiPhoneやタブレットで更新ができます。
またAndroidでは、エディタとしてQuoda Code Editorが快適です。
まとめ
エンジニアとして評価を受けるにあたって、結婚しているとか子育てをしているなどは「基本的に本人が勝手にやっていることで、エンジニアとしての評価とは関係がない」という状況では、相手が独身であろうが子供がいない状況であろうが平等に評価されることになります。
ということは、自分の時間がなくても、何らかの工夫で新しい技術などの情報収集やスキルアップを常に行うことを求められ続けることになります。
私も、子供が産まれた直後はかなり戸惑いましたが、いろいろ工夫を重ねて今日に至っています。今、十分キャッチアップできているかどうか、自分では判断が難しいところですが、この記事が何かのお役に立てれば幸いです。